【登山】初の海外登山!東南アジア最高峰キナバルを登る
2019年の4月末、日本の元号が平成から令和へと変わるGWを利用して憧れだった海外登山に挑戦しました。
今回は初めての海外峰でも比較的登りやすく、4,000mを超えるマレーシアのキナバルを選びました。
1泊2日の短期決戦でしたが、山の全てを堪能し、無事に登頂することができ、最高の山行になりました。
基本情報
ルート
DAY1:6時30分 ホテル発 → 9時00分 キナバル国立公園本部 → 9時30分 ゲート(登山開始)→ 12時5分 ラヤンラヤン・ハット(昼食)→ 14時45分 ラバンラタ小屋
DAY2:1時30分起床 → 2時00分 朝食 → 2時40分発 → 5時58分 ローズピーク(キナバル山頂)→ 6時4分 ご来光 → 8時20分 ラバンラタ小屋(2度目の朝食)→ 9時30分発 → 13時00分 ゲート着(昼食)→ 14時00分 市内へ出発
天候
DAY1:曇天(登山道はガスの中)
DAY2:晴天
装備
35Lのザックを使用、登り一辺倒のルートなので、大量に消費して不足しないように水は2L用意。
不要な荷物は公園の事務所に預けることも可能。(確か10リンギットくらい)
その他
キナバルはガイド・山小屋予約必須ということで今回はNCT 自然と文化の旅のツアーを利用。
登山日までのフライトや宿などは自分で確保する必要があるが、登山の前後は自由度を持たせたかったので、正解だった。
(注意!)山小屋で水が購入できるが十分にあるわけではない。自分が宿泊した日は夜の7時には水が売り切れになった。もし、購入する場合は小屋に到着してすぐに購入した方がよい。
Day1: ラバンラタ小屋を目指す!
朝の5時半に起床して準備を始める。迎えのバスが来るのは7時だから余裕やと思っていたら、6時半ごろに部屋の電話が鳴る。
(まさかなとは思いながら)電話に出ると、もうバスが来ていると言われる。
…早ない?予定は7時やぞ?と思いながらも準備は整っていたので、チェックアウトする。
が、肝心の朝食のパンを忘れたらしい。
ということで途中で他の人を待つ間にバスの運転手が買ったものと同じものを購入して朝食とする。
が、これが思いの外、重たい料理だった…美味しかったけどね^^;
(登り始めてから、この朝食を取っておいて正解だったと確信した)
途中で合流した人の中に日本人の方がいて、その人とずっと話をしていた。
その方は今回のキナバル登山は2度目の海外登山で1回目はキリマンジャロだったらしい!
国内の山もかなり登っているらしく、ずっと山の話をしていた。
バスに乗ること1時間半でキナバル公園に到着。
ここで入山手続きをしてガイドの方と合流して、いよいよ本当の登山口へ移動する。
なお、バスで一緒になった方とはここからずっと一緒に登山をすることになり、日本人2人、ガイド2人というパーティになる。
ついにキナバル登山が始まる。
このゲートを通過した先にはいったいどんな登りが待ち構えているのか…
と思った先にあったのは、
下り坂だった。
だが、この下りも束の間、少し進んだところから突如として急登が始まる!
最初に出てきた登りはこんな感じ↑
関東近郊の山でいうと丹沢のバカ尾根みたいな登りと雰囲気だが、ここですでに標高は1800mオーバー。
周りの木々が熱帯地域の山であることを感じさせてくれる。
30分くらい登ると最初の休憩地点へ到着。
ここからは一定間隔でこういった休憩できるポイントが用意されている。
この後も永遠と急登が続くが、まだ余裕がありペースは速い方だ。
さらに登ると見晴らしが良い(と思われる)地点を通過。
晴れていればいい景色なんだろうなーと思うが、この日はずっと曇天で、山はガスの中。
景色は全く見ることができない。
登り始めてからだいたい2時間半ほどで標高2700mのお昼の休憩地点に到着。
ここまではまだ余裕があった。
さっそく公園側が用意してくれた昼食をいただく。
弁当はこんな感じ↑
パンやチキン、野菜、ゆで卵、りんご、行動食という構成。
事前に調べていたよりもかなり豪華だった。
お昼後の登りもずっと急登。どこまでいっても急登。とにかく急登。
しかも、一段一段の幅が高い!一体どんな人を想定してこの高さにしたのか…
前半に平坦に近い道があると、「束の間の休みですねー」なんて冗談を言いながら歩いていたが本当に束の間だった。
途中、我々のガイドさんは登山道から少し逸れてウツボカズラが生息しているエリアに連れて行ってくれた。
初めて見るウツボカズラ、思っていたよりずっと大きかった。
このウツボカズラはスルーしているパーティもたくさんいたが我々のガイドさんはしっかりと教えてくれた。
さらに歩くと視界が開けたところへやってくる。
この写真で見えている方向の斜面が2015年の地震で地滑りが発生したところだと教えてくれた。
一瞬ガスが晴れた隙間から地滑りした跡が目視できた。
このエリアは岩が露わになっているエリアで、見晴らしがよければ絶好の写真スポットとのこと。
めっちゃガスってる(笑)
晴れてればなー^^;
この少し先でようやく3000mを突破。
が、しかし、まだまだ背の高い木々が生い茂る。おそるべし!!
そして、この辺りから次第に余裕がなくなる…
少し歩いては息が切れ、休憩、そしてまたすぐに息切れ…
写真を取る余裕などもはや遠い昔のこと(笑)
残り2kmの地点から100mごとに看板が設置されていてようやく本日の目的地までのカウントダウンが始まる。
そして、登山開始から約5時間半で本日のゴールであるラバンラタ小屋に到着ー!!!
天気が良ければ、ここからキナバルの本丸が見えるはずだが、今はまだガスの中…
とりあえず小屋に入ってチェックインをする。
小屋は噂通り、広くて非常に綺麗でした。
入ってすぐの場所が食堂になっていて、2階が宿泊スペースとなっている。
荷物を置いて、ひとまずベットに横になる。
小屋に到着したときは空腹感もあり、体調もよかったのだが、少し横になると次第に気持ち悪くなってきた…
とりあえず、夕食の時間になったので、食堂に降りてみるが、全く食べれる気がしない。
しばらく座っていたが、気持ち悪さはピークを向かえたので、トイレへ避難。
吐きそうな感覚になったが、15分くらいしたらだいぶ楽になった。
これ以降は気分が良くなり、具合が悪くなることはなかったのでほっとしたが、他の登山客の中にはずっと体調が悪くて部屋で寝っぱなしの方もいたみたいだ。
標高は3200mだが、この高さは意外と侮れないことを実感した。
夕食の時間が終わると日の入りの時間になったので外に出てみたらガスが晴れていて、極上の景色が広がっていた。
7時過ぎに就寝。
いよいよ明日、サミットプッシュが始まる。
Day2: 東南アジアの最高峰へ!
午前1時半に起床して、準備を始める。
天気を確認したくて、外に出てみたら星が見え、少し霞んでいるが月も見えた。
どうやら天気は問題ないらしい。
朝食もしっかり食べ、午前2時半に出発。
真っ暗な中を登山者のライトが列を作る。富士山もこんな感じなのかなー
暗くて何も見えないので、ここからの写真はチェックポイントしか撮影していない。(Google Pixel3の夜景モードを駆使して撮影)
初めの階段エリアは背の低い木々が並んでいるエリアで雰囲気的には白山の南竜ヶ馬場野営場から山頂に向かうときの最初の登りに雰囲気が似ている気がした。
階段を登り切ると少しだけなだらかなエリアが続く。
そして、そこで最後のチェックポイントに到着する。
ここでIDカードを提示する。
なお、ここが最後のトイレとなるので要注意。
この後はいよいよ、キナバルの象徴とも言える岩綾エリアが始まる。
と言っても、コースには常にロープがあるし、階段ではないだけ、自分としては歩きやすかったし、楽しかった。
ついに標高は3800m、富士山の高度を超えた。
(この板、周りは暗いし、岩場に置いてあるだけだから、見過ごす可能性大だな…)
まだまだ夜で真っ暗だが、なんとなくサウス・ピークも見える。
最後の急登に差し掛かる手前で空が次第に白んできた。
最後の登りに差し掛かり、日が出る方向が隠れたところで、空が焼けてきた。
これは最高のご来光が拝めそうだ。
問題は間に合うかどうか…五分五分だな…
やっぱり、こういった岩場登りの方がテンション上がるな。
すでに登頂した人たちが見える。
そして、最後の岩場を登りきり、
午前5時58分。4095.2m、キナバル 登頂成功!!!
いやー本当にしんどかった…
登りきれてほっととしたー
ご来光にもギリギリで間に合ったぁ〜
ここからは撮影タイム!
と言っても、人も多く山頂は非常に狭いので、手短に。
奥に雲海が広がる
キナバルの岩綾。穂高エリアに似てるなーとも思った。
山頂付近から撮影したサウス・ピーク
セント・ジョーンズ・ピーク
最後にサウスピークをバックに記念撮影をして下山を開始する。
下山時はちょくちょく、後ろを振り返りながら歩く。
登頂した直後は、しんどさと安堵感しかほとんどなかったが下山時に振り返ってロウズ・ピークを見ると、
「あんなところまで登ったんだな…」
と感慨深くなる。
登りでは暗くて見えなかったが、下の景色も壮大だった。
この後、8時20分に小屋に帰還し、2度目の朝食を取って、9時半に登山口へ向けて下山を開始した。
(下山はひたすら歩き続けたため、以下省略…w)
13時に無事、登山口に到着。
昼食を食べて、登頂証明書をもらい、これにて全ての日程が終了となった。
まとめ
初めての海外登山、初めての4000m超え。
初日は天気も悪く、不安がありましたが、終わってみれば一度も雨に降られることもなく、登頂時には絶景を見ることができ非常に充実した2日間を過ごすことができました。
やはり、登山の楽しさは尋常じゃないです。
特に今回は登山道の植物、楽しい岩場登り、小屋の美味しい食事、登頂したときの喜び、ご来光・雲海と、山の楽しみを全て味わうことができ、本当に充実した山行となりました。
キナバルはガイドが必須だし、登山道はよく整備されていて、岩場ですら常にロープがあり、日程も1泊2日なので、初心者でも体力さえあれば登れる最初の海外登山にはもってこいの山です。
すっかり、海外登山に魅せられてしまった私は、今度は一体どこの山に挑戦するのだろうか。頻繁に行くことは難しいが、これからも海外の登山を楽しみたいです。
さて、次はどこに登ろうか。